本稿は,1930年に当時のウクライナ・ソビエト社会主義共和国の首都ハルキウに計画された大劇場の設計案を募集する国際設計競技趣意書(応募要項)について,表紙から裏表紙までの全テキストを原本から訳出し,近代建築史研究の観点から解題を付したものであ…
坂本鹿名夫の設計による円形庁舎である田尻町役場庁舎(1958年,2017年取壊し)と小海町役場庁舎(1961年,2003年取壊し)を事例として,昭和の大合併を背景とした両自治体における建設経緯と両者の関係を述べ,円形建築ブームの背景と構図の一端を明らかに…
所収:『TEMPOLOGY Vision』Vol.13,2022年12月,一般社団法人テンポロジー未来機構,p.8 木村理恵子(編)『山田耕筰と美術』栃木県立美術館,2020年 山田耕筰といえば,童謡「赤とんぼ」(三木露風作詞,1927年)の作曲者として広く知られる。川喜田煉七郎…
所収:『TEMPOLOGY Vision』Vol.13,2022年12月,一般社団法人テンポロジー未来機構,pp.4-5 活動の軌跡 川喜田煉七郎とは何者か。1920年代後半から1930年代初頭にかけて、青年期の彼は建築家といってよいかもしれない。建築学科の卒業だし、建築図面も多く…
ウクライナ劇場国際設計競技(1930年)―日本からの応募案 所収:"DOCOMOMO Journal" No. 67 (2022) DOCOMOMO International pp.48-54 special issue: Multiple Modernities in Ukraine発行日:2022年12月 PDF
山形県北村山郡大石田町に建設された大石田第一中学校円形校舎と次年子小学校円形校舎の概要を紹介したうえで,市町村合併の促進過程で誕生した新自治体において,円形校舎に,施設の量的充足以上に地域コミュニティ統合の象徴的意義が託された可能性を指摘…
1950年代後半に,公共建築として坂本鹿名夫設計による4件と別の設計者による1件の計5件の「円形建築」が連続して建設された大阪府八尾市を事例に,発展期の地方自治体における公共施設整備を背景にした円形校舎の流行現象を明らかにした。
1950年代半ばに登場した円形校舎について,1)円形校舎ブームの概要,2)考案者である建築家坂本鹿名夫の設計理念,3)同時代の建築計画学の状況,4)当時の日本で円形校舎がもつことになった象徴性について検討し,ブームの実相を明らかにする。
初出:『TEMPOLOGY Vision』Vol.10,一般社団法人テンポロジー未来機構 p.18発行日:2021年1月 再録:日本商環境デザイン協会(編)『日本商環境デザイン協会60周年記念誌「JCD60」』日本商環境デザイン協会発行日:2021年6月
日本初の円形校舎・金城学園(現・遊学館高等学校,金沢市)校舎(2007年取り壊し)を坂本鹿名夫が手掛けることになった経緯と提案,実施過程を明らかにしたうえで,その背景で進行していた円形校舎の評判伝播と円形校舎ブームの兆しを検討する。